2002年08月01日

【008】人形町末広亭(越谷の隠居)

suehiro.jpg
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 昔の寄席の話でもしましょうか?
 最近、物忘れが多く、結構大事な事も、油断すると頭の中からこぼれ落ちちゃうこの頃、どこかに書いておかないと、きっと一生思い出さなくなってしまうと思いますので、いい機会。

 何の話からしましょうか。?
 昔といっても30年から40年ぐらい前の、先輩から言ったら(何だい、つい最近の事じゃーないかい。)と言われそうですが、それはそれ。その当時の寄席の雰囲気でも。
 人形町末広亭・・・噺家さんが良く言っていましたね、[寄席の歌舞伎座]だって。本当にしっとりした昔の席でした。

 人形町の交差点を、水天宮と反対の方にほんのちょっと歩いた所。出演者を大書きした札と、のぼり旗が目印。
 入り口の左に、変に縦に細長い入場券売り場が有って,其の当時、学割りもあって150円から200円の入場料。
 入るとすぐに土間になっていて、右側に下足の棚。{いノ三番とか、ろノ五番}とかの下足札をもらうんですが、今でも不思議なのが、どんなに早く入っても【いノ一番】をもらった覚えが無く、【いノ一番】の札って本当に有ったのかしらと思っているんですが、もしかすると、何かのきまりで【一番】は出さないとか。その辺の詳しい事情をご存知の方は、教えてください。

 下足札をもらって上がると客席を囲むように、ぐるりと廊下が有り、右の角が入り口。座布団がいっぱい積んであって、そこにいるお姉さん(お姉さんと言っても、そこそこの年の人)に20円払って座布団をもらい、好きな所に座るという寸法。混んでくると<お膝送りお願いします>なんてんで詰められちゃうんだけれど、そんなことはめったになく、足を伸ばし皆だらけて聞いてました。

 不思議なもので、あんまり真ん前から座らない。隅の壁際から詰まっていく。
 この人形町の客席は、全部桟敷で,右と左は一段高くなっていて(またいて上がれるぐらいの高さ)私のお気に入りは、舞台から見て右の、一段高くなっている席の後ろの角。
 なんとも落ち着けました。

 別にいくらか出すとお盆にのってお茶を出してくれるんですが、噺を聞きながらお茶を飲んでいる年配の人なんか見ると、なんとも羨ましく、こっちはまだ学生服で、そんな事やっても格好はつかないのに、生意気盛り。粋がって頼んでました。(やな子供ですね)

 そんな席で売れない色物の芸人さんなんか見てたら、うれしくって、うれしくってもうたまりませんでした。
 志ん生・文楽・可楽ももちろんでしたが、私はちょっとくすんじゃっている芸人がたまらなく好きで、まだ終わんないか、まだ終わんないかと思いながらイジイジしてみているのがなんとも楽しく。
 学生服の、小里ん師匠の姿もちょくちょく見かけました。
 もう30年以上も経っちゃっているんですねぇ。 

2002年8月

posted by ひろば at 14:43| Comment(0) | TrackBack(0) | エッセイ
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