2007年03月01日

【072】長生きできますか(鈴木和雄)

皆さんご存知の「長短」という噺、今朝の天気の好い事を昨夜の小便の話から始めて、長々としゃべり、やっと今朝のことに辿り着くという極くのんびりとした男と、反対に食べものを食べるにしても、ひと口で飲み込んでしまったり、煙草を吸うにしても煙管に煙草を詰め込んでひと口吸ったら直ぐはたき、またつめると言う忙しさで、気がせく時は煙管に詰めただけで、直ぐはたいてしまうと言うせっかちな友達の話が語られている。

そして最後はのんびり男ののんびりアドバイスのために着物の袖に飛び込んでしまった煙草の火で袖に焦げ穴を作ってしまい、怒りだすが、のんびり男はこれを揶揄する噺だが、この噺は気の長い男と気の短い男の話をまとめ、面白ろ、可笑しく話しているのだが、昔から江戸っ子は概して気が短く、せっかちで、おっちょこちょいと言われていたが、この「長短」は気の短い方は典型的な江戸っ子で、長い方は少数派だったのであろう。

この噺を聞いた客は皆この長短どちらに属するものか、夫々の人が己の姿を写したように思えるのではないだろうか。
先日、TVの「たけしの本当は怖い家庭の医学」で人間の性格が表す典型的な一部を取りあげてこれが及ぼす影響を話していたが、気の短い、長いの性格が大いに人の生き方に影響を及ぼすとしたら、私達は心の持ちようで生きながらえるかどうかを示唆するものかも知れない。

それらの事例として
(1)食事の摂りかたが早いか、ゆっくりか 
(2)職場や家庭で自分の意見を通そうと口論をよくするか、しないか 
(3)買い物や食事のために行列をすることは嫌いか,苦にならないか 
(4〕メールをよくチェックするか,あまり気にかけないか 
(5)車の運転中に渋滞にぶつかるとイライラしたリ、抜け道を探して行こうとするか、渋滞は諦めて待つか 
(6)成績は気にするか、あまりしないか 
(7)鍋もの料理になると鍋奉行になるか、人にサービスは任せるか
(8〕エレベーターに乗ると直ぐ閉じボタンをおすか、じっと閉じるのを待つか 
(9)何事も徹底的にやらないと気が済まないか、途中でやめても気にならないか
の事項があった。

昔、早飯、早糞は出世の基と言うのがあった。しかし早飯は体にいいことは無い。家人と食事をしていてもさっさと終わって別室で親が死んでも食休みとばかりにのんびりしている人が居るが,何やらせっかちな人の特有な行動のような気がする。それなら他の人と同じようにゆっくり食事をして、ゆっくり噛み、唾液を沢山混ぜて胃に入れて消化を促進する方が体にいいに違いない。

他人の仕事振りや態度に不満を抱く人は何時も自分の気に食わないのでよく文句を言ったり、時には口論をすることがある。他の人には夫々の行動のペースがあり、マイ・ペースで行こうと努めるが、文句を言った本人は自分のやり方に合わさせようとするから,協調ができず、そこでイラついて心臓に良い訳がないということになる。

買物をしに店に入っても気の短い人は自分の欲しい品物を買ってサッサと帰ろうとするが、気の長い人は自分の欲しい品物の所に行ってもあれがいい、これがいいと選びに選んでも、その内、他のものに目移りがして,なかなか自分が納得をしたものが買えない。只、時間ばかりがたってしまい、ついには目的以外のものを買ってしまうということが起きかねない。

優柔不断というか、のろまというか、買い物ひとつでもスカッと行かない人がいる。こうゆうのに気の短い人が一緒に行ったら、何故サッサと買わないのかとイライラしてストレスが生じることになる。

車を運転していても渋滞に巻き込まれるとイライラの虫が出て来て、家を出発した時間が悪かったとか,別のルートを走ればよかったとか、その内、同乗者にもっと早く出かける用意をしてれば渋滞にあわなかったものをと,自分のストレスの発散を他に求めようとする。そして道路が悪いとか、他の人たちがこんなに出なければ混まないものをと文句の言い続け。のんびりした人は車の運転はこんなものだと諦めて、時の経つのを待つが、気短の人はこれが待てない。只、イライラするのみ。これじゃ心臓によくない。

最近、流行るラーメン屋で行列をして美味しいラーメンを食べようとする映像をよく見る。うまい物には少しぐらい並んでも食べたいという人がいる一方で、行列が嫌いでそうゆう店には行かないという人もいる。前者は気の長い人達で、後者が気の短い人達といえようか。しかし。食い物の食べ方で一概に人の性格を云々するのもどうだろうかとも思う。

兎に角、人間はイライラしてストレスを生じさせると、自律神経がうまく働かなくなり、バランスを崩すことになる。これにより脳から異常な信号が心臓に伝わり,心房細動がおきることになる。その結果、心臓内で血栓が出来て、最悪の時はこの血栓が脳にまで飛び、脳塞栓が生じて倒れることになるという。


こんな訳で近頃の日本の死亡原因のトップを占める病気になる恐れが多いということで噺の「長短」は笑いのうちに気が短いと大きな悲劇をもたらすことになりかねない性格をなんとか温和に過ごせるようにと暗示しているのかも知れない。しかし人間の性格は持って生まれたものので、気の長い、短いは直るものではないだろうから、常に心掛けて気を静めるように努めれば健康が維持でき、長生きも望めるではないだろうか

平成19年3月
posted by ひろば at 07:30| Comment(0) | TrackBack(0) | エッセイ
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